品質・梱包形態に関する用語
Grade/グレード
各草種の品質はGradeをもって表し、その草種によってGradeの言い方・名前が異なる。Premium、Standard/Regular、B Grade等
1st Cut / ファーストカット / 1番刈り(刈り取り番手)
1番刈り。年に複数回刈り取りが可能な草種には刈り取り番手がつくことが多い。USA Timothy Hay、Alfalfa Hay、Sudan Grass Hay、Klein Grass Hayなどが該当する。刈取りがすすむと2nd Cut、3rd Cut・・・などとなる。
Bale / ベール
乾牧草をまとめてひと塊にしたもので、ストラップ(バンド)ベール、トワイン(ヒモ)ベール、PP Tube(PPの筒状)ベールなどがある。
ouble Compressed Bale/ダブルコンプレスベール
原料の草を工場で高圧で圧縮プレスすることで、個あたりの重量を重くすることで運賃経費の重量あたりの負荷を軽減するために行う。梱包はストラップ、トワイン、PPTubeで行う。
日本向けの牧草は通常はDCBaleだが、USA THなどで馬用としての需要、Alfalfa Hayの本州の一部や馬用としてSingle Compressed Bale(SCBale)/シングルコンプレスベールが存在する。
Regular Bale/レギュラーベール
通常3タイ(紐)ベールを原料として、DCしたもので約60cmx45cmx60cmの大きさで45-55kg/Baleが通常。近年では原料がBig Baleでそこからスライスダウン(切取り)して作られるRegular Baleが急激に多くなっている。 SCBaleは畑での加工だけなのでRBと言わずに、3タイ(スリータイ)と呼ぶ。
Half Cut Bale / 1/2Cut Bale / ハーフカットベール
そのままずばり、DCRBを半分に切ったもの。重量が軽くなり扱いやすい。しかし、運ぶ回数が多い、ミキサーに入れるとき手間だという欠点もある。
BB/Big Bale/ビッグベール
— DC BB —ダブルコンプレスビッグベールつまり、250-600kgで、80cmX100cmx115cm程度の大型のベールで原料草もまたBBであることがほとんどである。
形態としてはストラップ、トワイン、ワイヤー(針がね)、PPTubeで梱包される。
北海道はこの形態が多くなっている、利点は大型農家での作業性が良いこと。欠点は輸送・保管中のカビ発生や発熱を防ぐために過乾燥となることで粉化しやすい。
工場でDCする前の原料草の状態。120cmX120cmX240cm程度の大型ベール。利点としては畑での作業時間が短いことで、作業時間、要する労力が3タイベールに比較して1/3程度。また、作業時間が短いことで、天候変化による影響も受けにくい。現地のトレンドとしては3タイベールから90%以上がSCBBに置き換わっている。
大きな欠点は過乾燥となること、つまり以前の3タイベールであれば畑から移動して、積み上げた以降も通気性がよく乾燥することができたが、BBの場合はその大きさから、内側まで空気が通らない→内側の水分が乾燥することが考えづらいため、ベール後のカビ発生を防止する上で、畑で十分に乾燥する必要が出てくるため。
Wrap / ラップ
Regular Baleや1/2Cut Baleを12-24Baleゃ8-16Baleをひとかたまりとして、ストレッチラップで梱包してあるもの。BBはもともとひと塊となっているのでWrapは必要ない。 BB同様大型農家での作業性はよく、ラップによりほこりや、カビの進入を防ぐことができる。反面、内側の水分が高いなどの問題がある場合、カビが発生しやすくなる。
PNW / Pacific North West / 北モノ
米国西海岸北部のこと、牧草取引の場合具体的にはオレゴン、ワシントンが対象となる。
PSW / Pacific South West / 南モノ
米国西海岸南部のこと、牧草取引の場合具体的にはカリフォルニアを指す。
Fumigation / 燻蒸
病害虫の検疫観点から、日本国内での発生を抑制するために輸出国現地もしくは、航海中コンテナ内部にて、燻蒸処理を行う。一般的にはUSA THや東南アジア製品が適用。
販売・取引に関する用語
本 / FCL / Full Container Load
海上コンテナは主に20ftと40ftコンテナがあり、牧草取引の場合は通常40ftコンテナを使用する。そのコンテナ内部全てが同一貨物(荷主)である場合FCLと言う。数品目混載の場合は、LCL(Less than Container Load)と言い、FCLに満たない混載荷物の場合。
PPQ / 植検 / 植物防疫検疫検査
植物防疫検査協会(農水省管轄)が管理。植物は輸入に際して、輸入禁止植物の混入・密輸が無いかの検査を受ける必要がある。検査内容は植物の種類や、草種などで異なる。
残留ガス検査
指定会社が管理。これも同じく、PPQの際に発生する作業(費用)で、コンテナ内部の貨物を燻消毒(殺菌殺虫)して輸入した場合に、PPQでコンテナ内部を検査する場合の安全確保のため、ガスの残留を検査するもの。
AQI / 動検 / 動物防疫検疫検査
動物防疫検疫協会(農水省管轄)が管理。PPQが植物なのに対して動物を検査するもの、もしくは微生物を含む動物に関する混入物を検査するもの。口蹄疫や疫病検査が該当。
X線検査
税関が管理(大蔵省管轄)。輸入の際にコンテナ内部に輸入禁止品(銃火器・麻薬)、申請内容と異なる物品の輸入(密輸)が無いかを検査するもの。
シップバック
輸入禁止品の混入や混載が認められた場合、積み出し地に返送する処理。そこで発生する費用は約\1,500-2,000千円/5FCL
通関
輸入で着岸→本船荷役した段階では外貨貨物だが、PPQ/AQIを受け、書類審査を受けて合格し、必要な場合関税などを支払い国内貨物として流通してよい状態となるための手続き。
CY渡し / CY置場渡し
“Container Yard渡し”の略で、CY置場渡しということ。つまりコンテナに入った状態で運送の手配などは売り手責任ではなく、買い手の手配となる。
持ち込み渡し / ドレー渡し
CYから買い手指定箇所までのコンテナドレーをつけたもの。荷降ろし(デバン)作業は無い。
デバン渡し / 降ろし渡し
コンテナドレー+荷降ろし作業付き。
FT / フリータイム / デマレージフリータイム
輸入コンテナのCYからの移動には期間制限があり、○○日以内にコンテナを配送・移動する必要がある。その規程日数を超えた場合、4500-15000/日の費用が発生し、この費用は移動するまで毎日かかる。概算だが\360,000-400,000/月の費用となる。
ディテンションフリータイム
コンテナをCYから移動したのちに発生する。CYから移動して○○日以内にコンテナを指定されたCYに返却しなかった場合に発生するもの。
コンテナクリーニングチャージ
輸入した貨物をデバンし、CYにコンテナを返却後直ちに使用できるように一切のごみ・汚れが無いように洗浄し、乾燥すること。
確認条件 / 売り切り御免
売り手が売り込みをかけた商品に買い手が興味を持った場合、即座に売り手に確認をして在庫の確認をする必要がある。複数に声をかけているため、在庫確認をせずに、買い手がその客に販売を約束してしまい在庫がなかった場合でも売り手は責任が無い。
品質確認条件
売り手もしくは買い手が、欲しいものがあり、その品質が不明な場合品質確認をして購入・販売の決定をする。決定した箇所が品質責任を持つが、品質確認が終了するまでは、買い手・売り手共に決定では無い。
預ける、預る
売り手、買い手がその責任の下に貨物の所有(販売権)を一任する、される取引形態。○○日間預けるから/預けさせてもらうからと言う会話の場合。
品質クレーム
一般的に要求したものと異なった品質、もしくは重大な問題が発生した場合に売り手に対して買い手がクレームを発生させる。『違うものが届いた』『品質のバラツキが大きい』『カビが発生している』『腐っている』『ひどく濡れている』『重大な異物の混入』などの場合、”シッパークレーム”という明らかに現地の不手際と判断されるものに対するクレームと、輸入保険補償対象のクレームとなる。
『思ったより悪い』『もうちょっといいものが欲しかった』、などのクレームは判断が非常に主観的で判断しかねるものもある。
また、『牛が食わない』などのクレームでよくあるものとして、『○○円下げるから使って欲しい』などの処理は、値下げをしたら牛が(家畜が)食べるのか?との誤解を生むので注意したい。
なお、『前回いくらでこんな品質だったのに今回はこんなに高いのに品質がいっしょだから』『周りがいくらだからいくらにして欲しい』というものはマーケットクレームとして扱われ、輸入商社・輸出業者・現地生産者の一切が責任を取らないものである。
ノークレーム条件
品質が不明、自信が無い、手間をかけられない・・・などの理由で通常よりも安価で取引する場合、売り手は何がおきても一切の責任を取らないという前提の取引。